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小話:『似てなくたって、』 [ep.1] -起床編-
―― サンジの朝は早い。
日が昇るか昇らないかの時刻に目覚め、簡単な身支度を済ませると、自室から1Fにあるキッチンへと向かう。
冷蔵庫の中身をチェックし、朝食と昼食の弁当分に必要な材料をテーブルの上に出した後、彼は洗面台へと向かって顔を洗ったり歯を磨いたりする。
泡を纏った歯ブラシを銜えたまま、ドライヤーを使い寝癖のついた髪をブラシで梳かしている間、
彼はこの後用意しなければならない朝食の献立について頭を悩ませるのだ。
(ピザトーストでもいいけど、そんだけじゃ足りないってごねるだろうし・・・
ハムのステーキと、ベーコン入りのスクランブルエッグも添えるか。弁当の方は・・・まぁ肉突っ込んでおけば文句はねぇはずだ。)
この習慣にも随分慣れたもので、洗面台から戻ったサンジはダイニングにある椅子の背もたれに掛けっぱなしにしていたピンク色のエプロンに身を包む。
料理人顔負けの手際の良さで、バラバラだった食材達が一つになり、テーブルの上はあっという間に食欲をそそる彩りある料理の数々で溢れかえった。
朝食用の食器とは別に、横に重ねておいた二つ分の弁当箱を取り出したサンジは、小分けしていた皿の料理を次々弁当箱の中へと詰め込んでいく。見栄えにも拘る彼は、豆の一粒でもずれ落ちないように、菜箸を起用に使って慎重に並べていく。
「・・・よし、これで完成。
っても、どうせ弁当開く頃にはぐっちゃぐちゃになってんだろうなぁ・・・。」
全く同じ配置がなされた2つの弁当箱を交互に見つめ、サンジは何かを思い出すかのように小さく笑みを零した。
アイツは繊細なオレとは違って、がさつだ。そして食に対して節操がない。
家を出る前に弁当箱を渡すと十中八九、昼までに中身が空っぽになっている。奇跡的に半分残っていたとしても、ご飯があらぬ所に転がっていたり、漬物がから揚げに隣接して、衣が変色していたりと、そんなことはざらだった。
それ以後、昼までオレが弁当を預かるようにしたのはいいのだが、腹をすかせたアイツの見境の無さといったら・・・
腹が減れば、ヤツは休み時間中だろうが授業中であろうが、容赦なく弁当を奪いに来るのだ。
「・・・本当に血繋がってんのか、疑わしいぜまったく・・・。」
弁当箱も包み終わり朝食も盛り付け終わる頃には、普段見ているニュース番組が始まって、黒髪のスレンダー美人なお天気お姉さんが今日の天気を伝えてくれる。
朝食を並べ終えたサンジは椅子に腰掛け、リモコンで音量を軽くあげながらテレビに釘付けとなる。このお姉さんの天気予報だけは、欠かさず観るようにしているのだ。・・単純に、好みだから。
暫しそのお姉さんに見入っていると、階段の方から物音がしてサンジは首だけで其方に振り返った。
「珍しいな、自分から起きてくるなんて」
「ふぁ・・・ぁ、・・・はぁお、はんじぃ~・・・」
「ハイハイ、おはようさん。顔洗ってシャキっとしてこい、」
大口を開いて欠伸を零すルフィ。
ずれ落ちかけたパジャマのズボンがどうにも気になったが、寝ぼけているルフィ相手にまともな対応をするのは時間の無駄と知れているので、サンジは軽くあしらって再びテレビの画面に目を向けた。
ずるずると、布を引き摺るような衣擦れの音を鳴らしつつ、てっきり洗面台の方へと向かったと思っていた相手は、いつのまにかサンジの真後ろに擦り寄っていて。
「はぁぉ、はんひ~・・・朝メシ、くいたい」
「のわっ!?!・・・ったく!メシ食いたかったらまずその寝ぼけきった頭をどうにかしてこいって言っただろ!?」
「んんぅ~~・・はんじは、きょうも、いーにほいが、するぅ・・・」
「バッ、!?寝ぼけんのも大概にしろっ首筋に吸い付くなっ!」
首筋を這った生暖かい感触にサンジは飛び上がる。
ちゅぅー、と弱く吸い付かれた首筋に、ヘンな痕が残っていないかと心配になったサンジは食器棚のガラス部分に吸い付かれた首筋を映して確認しようとするも、鏡とはちがい反射性の薄いガラスではどうなっているのかはっきり確認が出来ない。
内心焦りながら指でその部分を触っていると、袖口のあたりにかすかな引きを感じて振り返れば。
「はんじぃ・・」
ぼんやりとサンジを見上げたルフィの真っ黒な瞳とぶつかって、ドキリと胸を高鳴らせた。
早くメシが食べたいと甘えてくるようなその仕草は、到底自分の『兄』とは思えないわけで。
(つっても、数時間出てくんのが早かっただけ、なんだけどよ・・・)
「・・・~~っ、分かった!
オレも誰かさんの所為で洗面所に用事出来たから連れてってやる、だからメシはもう少しガマンしろ!」
「むぅ~・・・はんじのけち」
「ケチで結構。ほら、さっさと凭れ掛かれよ。」
「・・・・・おんぶ?」
「誰がするかぁぁぁっ!!!!」
華麗にヒットした回し蹴りで吹っ飛んでいったルフィ。
廊下とダイニングの仕切り付近で伸びてしまったソイツの脇を持ち上げ、洗面所へ引き摺るように運んだ。
「・・・寝ぼけるとコレだからたまんねーぜ・・・ったく。」
――嫌々といった様子で呟いた彼だった、が。
ほんのり頬を赤らめたサンジに、この後、完全に目を覚ましたルフィにその事をあっけらかんと指摘され、再びご自慢の足技を披露するはめになるのだった。
END
――――――――――――――――――
※二卵性双生児 de ルサンorサンル(どっちでも読めると思うので。
とある方が凄い食いつきをみせてくれたので、軽く小話として書いてみた。
続くかどうかは不明だけどもねwwww
ちなみに設定としては
ルフィ(兄)←2時間程度→サンジ(弟)の、似ても似つかない二卵性双生児。
親御は海外。旦那さん(サンジ似)が単身赴任中で、奥さん(ルフィ似)が寂しさのあまり着いていっちゃった、的な?
子供放置して旦那についていくという奥さんの大胆すぎる奔放さを、間違いなく受け継いでいるルフィに振り回されつつも実はそんな自分が結構好きだったりする苦労人サンジのお話。
恋人とかじゃないけど、お兄ちゃんっ子過ぎて兄弟の情以上のモノをルフィに抱いてる、ってカンジが理想^p^
勿論、ルフィもサンジが可愛くって仕方がない系です^p^うは、文字にしたら予想以上にキモry
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