Hard a Starboard !! = Blog =
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小話:『似てなくたって、』 [ep.3] -通学編-
※先に言っておきます。自転車の二人乗りは違反行為です。
あくまで小説でのお話ですので、絶対にマネしないようにっ!
「サンジー、早くしねぇと遅刻すんぞー?」
「・・・おまえがカバン忘れてなきゃ遅くもならなかったって…」
玄関の施錠を終えたサンジは、門の前で自転車を跨いだ体勢のままコッチを見ているルフィの目の前にほら、と2つの通学カバンを突き出した。
おおサンキュー、と差し出されたカバンを受け取り、自転車のカゴへと無造作に乗せる。
其処には既に弁当箱という名の先客がいるというのに、ぽんとはき捨てるように置かれた通学カバンを一瞥して、サンジははぁと深く溜め息を零しながら、ルフィの背後へとまわった。
「足りないモンあってもオレは知らねーからな」
「にしし、心配ねーさっ」
「その根拠は?」
「ん、サンジだから、」
「・・・・・、・・・そーかい。」
一間置いて、サンジは鼻の頭をぽりぽりと掻きながら呟くように返した。
ちょっぴり耳が赤くなっていることに誰も気付かない。・・・それは当の本人であるサンジですら。
―― ・・・・時間は少々遡る。
『学校に何しにいくつもりだテメェは!!』という激しい罵声と絶妙な蹴りを頂戴して木目の美しいフローリングの床へと突っ伏したままのルフィの首根っこを掴んだサンジ。
ルフィを階段前まで引っ張っていき、『さっさとカバン取って来い!』と言って力の限りおもいきり投げ捨てた。階段の2段目にしたたかに顔面を打ちつけたルフィが いてぇ!と悲鳴をあげて仰向けに転がった。
『サンジ、おれそろそろ本気で怒るぞっ・・・ちょっとは“でりけーす”に扱え!』
『“デリケート”な。つーかそういうタマかよ、おめぇは・・・。』
顔面を擦りながら起きあがるルフィ。指と指の間から、赤くなった鼻先や額が覗く。サンジはやりすぎたか・・・と少々の罪悪感を覚えて、そろそろと手を差し述べた。
ルフィは差し出された掌と、サンジの顔を交互にじろじろと睨みつける。また何かされるんじゃないかと警戒されているのだろう。
『これ以上蹴ったりしねーからそう警戒すんなよ、それより早くしねーとオレもおまえも遅刻だ。』
『・・・サンジは口より先に脚と手が飛んでくっから油断できねー・・』
『・・・・・はぁ、』
しまったな・・朝から少々やりすぎたらしい。珍しく根に持ってやがる。
(普段はどんなに蹴り倒しても滅多に怒らねーんだが・・つーか元はといえばルフィ自身の所為だからオレに咎はねぇんだけど、・・・・あれか。顔面に入ったのが不味かったか・・・。)
このまま尾を引いて、ギスギスした状態で学校にいくのは不本意だった。
ただでさえ別教室。時間が経てば経つほど、関係の修復は難しくなっていくのは目に見えていた。
(オレもルフィも、相当な頑固者だからな・・・、)
―― 自分の考えは絶対、死んでも曲げない。
そういう部分は、まさしく双子と云わざるを得ない。
(・・・しゃーねぇ。)
両頬を大袈裟なほどに膨らませたルフィは、未だサンジを下から睨みあげていた。
ルフィに差し述べた手を一度引っ込め、うなじ辺りを一掻きしたサンジ。そして、
『・・・そこ、退け。』
『むっ・・なんだよ、カバンとって来いって言ってたヤツが退けとかっ!』
口を尖らせ、ブーと下品な音をたてて膨らんでいた頬から空気が抜けた。
そんなルフィを一度見下ろしてから、サンジは一歩足を前に出した。途端、ルフィが立ち上がって防御の姿勢で構えた。
『なんだよ、やんのかっ!?』
『・・・・・やんねーよ。』
明らかな敵対行動に、サンジはちょっぴり不機嫌になった。
どんなにバカで、アホで、どうしようもないクソザルな兄貴であったとしても、サンジはそんな手間のかかるお兄ちゃんが嫌いじゃないのだ。・・・もしも、2択でせまられたら、躊躇いなく好きと答えるだろう。
そんなルフィに、突き放されるような態度を取られてはサンジだっていい気分ではない。
サンジはズボンのポケットに手を突っ込んで、素早く何かを取り出すと小さなその物体をルフィに軽く投げた。
持ち前の反射神経が生きて、突然投げられたそれを落とすことなくキャッチしてみせたルフィは、手の平を開いて中身を確認して小首を傾げた。
『・・・自転車のカギ?』
『先に外でて準備しとけよ、』
そういってルフィを少し押しのけ、2階へとあがっていこうとするサンジ。
驚きで目を瞠ったルフィが振り返る。
『サン』
『ルフィに任せてたらいつまで経っても学校に行けねぇ、・・・』
サンジを呼び止めようとしたルフィの頭をぽんと軽く叩くことで阻止すると、その手で赤く擦れた傷のついた額に軽く触れてから、前を向いて2階へとあがっていく。
『・・・・わる、かった。』
蚊の鳴くような声で呟かれた、小さな謝罪は、しっかりとルフィの耳に届いていて。
ぽかんとその背を追っていたルフィは、よく見ればしゅんと肩を落としているサンジに気がついて、ハッとしたようにその背に向かって声を張った。
『っ、おれもわるかった!サンジ、カバン頼むっ!!』
ピクリと身体を揺らしたサンジが肩越しに背後を振り返ったので、ルフィはにししと笑顔を見せてから弁当を拾い上げて玄関を飛び出していった。ルフィの眩しいぐらいの満面の笑顔が脳裏で何度もループする。
そして、お互い謝る事で仲直りできたんだという喜びがじわじわと沸きあがってきて・・・。
『・・・っし!』
小さくガッツポーズを決めて、サンジは軽快な足取りで2階へとあがっていくのだった。
―*―*―
後輪の軸へと乗り目の前の肩に両手を付くとルフィは片方の足をペダルに置き、地面を軽く蹴った。
普段はお互い一台ずつ自転車を持っているためそれぞれのに乗って学校に向かうのだが、時々・・・そう、今日の朝みたいに険悪なムードから一転して仲直りした後などは、こうして通学することがよくある。
勿論、法に反する行為なので、坂道とか細い道などでは降りるようにしているのだが・・・。
風を切って進む自転車。サ
ンジはルフィのカバンに目をやる。
「・・・しっかしよぉルフィ。前の日に次の日の準備ぐらいしとけよ、中身昨日のまんまだったじゃねぇか」
「ん~~・・・そーだっけか?」
「そーだよ。・・ったく何処にもいねぇぞ?
自分のはともかく、兄貴のクラスの時間割りまで把握しているヤツなんざ・・。」
生徒手帳の裏表紙を一枚めくると、そこには2枚の時間割表が挿んである。
一つは勿論自分のものだが・・・もう一枚はルフィのクラスのものである。
「・・もう少し自己管理してくれよ、ルフィ。」
「ん、まぁ・・・・だいじょぉーーぶっ」
―― おれには、サンジが居てくれるからなっ♪
自転車のベルをチリンチリンと鳴らしながら、後ろをくるっと振り返ってニカッと微笑んだルフィ・・・。
一瞬の間を置いて、目の前の頭を軽く小突いたサンジ。
「・・・前を向け、事故るぞ」
「しし、心配すんな、任せとけ!」
「任せられるかっ、」
むーーーん・・と唸ったルフィは渋々前方へと視線を向けて。
それを確認したサンジはガッと首を折り、視点を真っ直ぐ下向きにして・・・・・そして。
「・・・ヤっ、ベ・・・、ぜってぇコッチ見んなよ・・・クソ兄貴・・、」
と、顔から耳から真っ赤に染めて、ぽつりと呟くのだった。
END
――――――――――――――――――
※二卵性双生児 de ルサンorサンル(どっちでも読めると思うので。
小説では王道の自転車二人乗りシーンですが、実際はやっちゃいけませんからねっ!?!
座れる席があってもダメなので、やっちゃいけませんからねぇぇーーー!!?
しかし、通学編って名のワリには、それっぽいシーンがちょっとしかねぇ・・・不思議だな。
まぁサンジもルフィも、お互い大好きすぎてヤバイんですって雰囲気出したかった。
でも、エチーな関係ではない。・・・いまのところは。(
あくまで小説でのお話ですので、絶対にマネしないようにっ!
「サンジー、早くしねぇと遅刻すんぞー?」
「・・・おまえがカバン忘れてなきゃ遅くもならなかったって…」
玄関の施錠を終えたサンジは、門の前で自転車を跨いだ体勢のままコッチを見ているルフィの目の前にほら、と2つの通学カバンを突き出した。
おおサンキュー、と差し出されたカバンを受け取り、自転車のカゴへと無造作に乗せる。
其処には既に弁当箱という名の先客がいるというのに、ぽんとはき捨てるように置かれた通学カバンを一瞥して、サンジははぁと深く溜め息を零しながら、ルフィの背後へとまわった。
「足りないモンあってもオレは知らねーからな」
「にしし、心配ねーさっ」
「その根拠は?」
「ん、サンジだから、」
「・・・・・、・・・そーかい。」
一間置いて、サンジは鼻の頭をぽりぽりと掻きながら呟くように返した。
ちょっぴり耳が赤くなっていることに誰も気付かない。・・・それは当の本人であるサンジですら。
―― ・・・・時間は少々遡る。
『学校に何しにいくつもりだテメェは!!』という激しい罵声と絶妙な蹴りを頂戴して木目の美しいフローリングの床へと突っ伏したままのルフィの首根っこを掴んだサンジ。
ルフィを階段前まで引っ張っていき、『さっさとカバン取って来い!』と言って力の限りおもいきり投げ捨てた。階段の2段目にしたたかに顔面を打ちつけたルフィが いてぇ!と悲鳴をあげて仰向けに転がった。
『サンジ、おれそろそろ本気で怒るぞっ・・・ちょっとは“でりけーす”に扱え!』
『“デリケート”な。つーかそういうタマかよ、おめぇは・・・。』
顔面を擦りながら起きあがるルフィ。指と指の間から、赤くなった鼻先や額が覗く。サンジはやりすぎたか・・・と少々の罪悪感を覚えて、そろそろと手を差し述べた。
ルフィは差し出された掌と、サンジの顔を交互にじろじろと睨みつける。また何かされるんじゃないかと警戒されているのだろう。
『これ以上蹴ったりしねーからそう警戒すんなよ、それより早くしねーとオレもおまえも遅刻だ。』
『・・・サンジは口より先に脚と手が飛んでくっから油断できねー・・』
『・・・・・はぁ、』
しまったな・・朝から少々やりすぎたらしい。珍しく根に持ってやがる。
(普段はどんなに蹴り倒しても滅多に怒らねーんだが・・つーか元はといえばルフィ自身の所為だからオレに咎はねぇんだけど、・・・・あれか。顔面に入ったのが不味かったか・・・。)
このまま尾を引いて、ギスギスした状態で学校にいくのは不本意だった。
ただでさえ別教室。時間が経てば経つほど、関係の修復は難しくなっていくのは目に見えていた。
(オレもルフィも、相当な頑固者だからな・・・、)
―― 自分の考えは絶対、死んでも曲げない。
そういう部分は、まさしく双子と云わざるを得ない。
(・・・しゃーねぇ。)
両頬を大袈裟なほどに膨らませたルフィは、未だサンジを下から睨みあげていた。
ルフィに差し述べた手を一度引っ込め、うなじ辺りを一掻きしたサンジ。そして、
『・・・そこ、退け。』
『むっ・・なんだよ、カバンとって来いって言ってたヤツが退けとかっ!』
口を尖らせ、ブーと下品な音をたてて膨らんでいた頬から空気が抜けた。
そんなルフィを一度見下ろしてから、サンジは一歩足を前に出した。途端、ルフィが立ち上がって防御の姿勢で構えた。
『なんだよ、やんのかっ!?』
『・・・・・やんねーよ。』
明らかな敵対行動に、サンジはちょっぴり不機嫌になった。
どんなにバカで、アホで、どうしようもないクソザルな兄貴であったとしても、サンジはそんな手間のかかるお兄ちゃんが嫌いじゃないのだ。・・・もしも、2択でせまられたら、躊躇いなく好きと答えるだろう。
そんなルフィに、突き放されるような態度を取られてはサンジだっていい気分ではない。
サンジはズボンのポケットに手を突っ込んで、素早く何かを取り出すと小さなその物体をルフィに軽く投げた。
持ち前の反射神経が生きて、突然投げられたそれを落とすことなくキャッチしてみせたルフィは、手の平を開いて中身を確認して小首を傾げた。
『・・・自転車のカギ?』
『先に外でて準備しとけよ、』
そういってルフィを少し押しのけ、2階へとあがっていこうとするサンジ。
驚きで目を瞠ったルフィが振り返る。
『サン』
『ルフィに任せてたらいつまで経っても学校に行けねぇ、・・・』
サンジを呼び止めようとしたルフィの頭をぽんと軽く叩くことで阻止すると、その手で赤く擦れた傷のついた額に軽く触れてから、前を向いて2階へとあがっていく。
『・・・・わる、かった。』
蚊の鳴くような声で呟かれた、小さな謝罪は、しっかりとルフィの耳に届いていて。
ぽかんとその背を追っていたルフィは、よく見ればしゅんと肩を落としているサンジに気がついて、ハッとしたようにその背に向かって声を張った。
『っ、おれもわるかった!サンジ、カバン頼むっ!!』
ピクリと身体を揺らしたサンジが肩越しに背後を振り返ったので、ルフィはにししと笑顔を見せてから弁当を拾い上げて玄関を飛び出していった。ルフィの眩しいぐらいの満面の笑顔が脳裏で何度もループする。
そして、お互い謝る事で仲直りできたんだという喜びがじわじわと沸きあがってきて・・・。
『・・・っし!』
小さくガッツポーズを決めて、サンジは軽快な足取りで2階へとあがっていくのだった。
―*―*―
後輪の軸へと乗り目の前の肩に両手を付くとルフィは片方の足をペダルに置き、地面を軽く蹴った。
普段はお互い一台ずつ自転車を持っているためそれぞれのに乗って学校に向かうのだが、時々・・・そう、今日の朝みたいに険悪なムードから一転して仲直りした後などは、こうして通学することがよくある。
勿論、法に反する行為なので、坂道とか細い道などでは降りるようにしているのだが・・・。
風を切って進む自転車。サ
ンジはルフィのカバンに目をやる。
「・・・しっかしよぉルフィ。前の日に次の日の準備ぐらいしとけよ、中身昨日のまんまだったじゃねぇか」
「ん~~・・・そーだっけか?」
「そーだよ。・・ったく何処にもいねぇぞ?
自分のはともかく、兄貴のクラスの時間割りまで把握しているヤツなんざ・・。」
生徒手帳の裏表紙を一枚めくると、そこには2枚の時間割表が挿んである。
一つは勿論自分のものだが・・・もう一枚はルフィのクラスのものである。
「・・もう少し自己管理してくれよ、ルフィ。」
「ん、まぁ・・・・だいじょぉーーぶっ」
―― おれには、サンジが居てくれるからなっ♪
自転車のベルをチリンチリンと鳴らしながら、後ろをくるっと振り返ってニカッと微笑んだルフィ・・・。
一瞬の間を置いて、目の前の頭を軽く小突いたサンジ。
「・・・前を向け、事故るぞ」
「しし、心配すんな、任せとけ!」
「任せられるかっ、」
むーーーん・・と唸ったルフィは渋々前方へと視線を向けて。
それを確認したサンジはガッと首を折り、視点を真っ直ぐ下向きにして・・・・・そして。
「・・・ヤっ、ベ・・・、ぜってぇコッチ見んなよ・・・クソ兄貴・・、」
と、顔から耳から真っ赤に染めて、ぽつりと呟くのだった。
END
――――――――――――――――――
※二卵性双生児 de ルサンorサンル(どっちでも読めると思うので。
小説では王道の自転車二人乗りシーンですが、実際はやっちゃいけませんからねっ!?!
座れる席があってもダメなので、やっちゃいけませんからねぇぇーーー!!?
しかし、通学編って名のワリには、それっぽいシーンがちょっとしかねぇ・・・不思議だな。
まぁサンジもルフィも、お互い大好きすぎてヤバイんですって雰囲気出したかった。
でも、エチーな関係ではない。・・・いまのところは。(
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